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これらの特徴はどのようにして生まれたの?
● 各信仰の拠点との近さ
諏訪信仰
は、長野県内を拠点とするほか、主祭神・健御名方命の母は、糸魚川を拠点とした奴奈川姫命である。
浄土真宗
は、開祖である親鸞が上越市に配流された縁を持つ。後に布教を広めたのは、北陸を拠点とする子弟の蓮如である。
曹洞宗
は、本拠地の福井・永平寺からの伝播に加え室町時代の一大拠点・耕雲寺(村上市)からも魚沼地方に入り、その後長野県へ広まったとの見方もある。
● 農業や山仕事を中心とする暮らし
諏訪信仰
は農業の守護神であり新潟県の平野部を開墾・開田するため長野県の農民が多く移住したことで広まったとされる。
山神信仰
は、かつて全国的にみられたが、中山間地域などの山仕事や農業が維持され、他の信仰も流布されにくかった地域に残ったとの見方もある。
●信仰同士の関係性
白山信仰
は、糸魚川市能生から南進し、霊山である妙高山、戸隠山へと尾根沿いに伝わった。
白山信仰
は、曹洞宗の開祖道元開創地の地元神でもあり、
曹洞宗
発展の一因となったとの見方もある。
● 統治者の影響力
諏訪信仰
は、上杉・武田両氏の争覇の影響を受け信州から多くの人が頸城に流入してきたことなどから、広まったとされる。
浄土真宗
は、一向一揆を恐れて一旦禁止された後、上杉謙信には好遇され、北陸や長野県からも門徒が移ってきたとされる。
一方、上杉謙信が信仰する真言宗は、謙信亡きあとに弾圧され、浄土真宗などに改宗した。
● 受入れやすい信仰の性質
曹洞宗
は、質素な宗風で僧自ら耕作をするのが特徴であり、これが農民層や武士の気質に合ったともいわれる。
浄土真宗
は、念仏を唱えれば極楽浄土に行けるという教えや僧侶の肉食妻帯を許容するなど、当時画期的な宗派であった。
善光寺
は、宗派性がなく、前近代の社会では例外ともいえる女人救済を行うなど、すべての信仰者を受入れた。
これらの特徴は地域に何をもたらしたの?
● 様々な産業の発達
善光寺
などに全国から信仰者が集まることで一大観光地となった。りんご、そば、おやき、唐辛子など様々な特産品の販売にも貢献した。
全国的にみても仏壇造りが盛んになった地域は、基本的に
浄土真宗
の信仰が盛んな地域。飯山仏壇もその所以と考えられる。
▶︎ 補足説明 b1
● お祭りや各種行事の発達
神社や寺院を中心とする数多くのお祭りや各種行事が各地域で行われている。
一例としては、
浄土真宗
に由来する報恩講、
善光寺
の御開帳や灯明まつり、
祇園信仰
に由来する祇園祭などが挙げられる。
● 自治組織のはじまり
浄土真宗
の蓮如などによる信仰集団づくりは、村々の統合を図る組織づくり、自治集団づくり、農民結集に大きな役割を果たしていたと考えられている。
● 信仰同士の関係性
熊野や白山に地方の旦那衆を案内した先達は、その多くが本山派修験であり、魚沼中心に
山修験宗
が集中分布することとの関連もうかがえる。
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