地域ならではの特徴
特徴の成り立ちと特徴
地域資源の魅力と課題
その他の参考情報
– 温泉地の数 –
湧出量でみると、北海度や大分、鹿児島、熊本といった九州が多い。
出所)環境省「平成27年度温泉利用状況」をもとに作成
– のべ宿泊客数 –
都道府県別にみると、温泉地自体が多い北海道や長野県に加え、静岡県、神奈川県、群馬県など首都圏近郊の県が上位に入ってくる。 温泉地ごとの宿泊客数については、上記出所から確認できないが、山村(2015)は、環境省の平成22年度温泉利用状況をもとにベスト100を選定したとしており、本誌ではそれをもとに記載した。
備考)主な温泉地の( )内は平成22年度における宿泊客数の順位 出所)環境省「平成27年度温泉利用状況」、山村順次(2015)をもとに作成
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– 温泉番付 –
江戸期の温泉番付とは、諸国温泉効能鑑(かがみ)のことを指す。作成地域等によって若干記載内容が異なる場合もあるとのことである。 現在は様々な機関による様々な評価が行われているが、山村(2015)で紹介される評価によると、信越県境付近でも複数の温泉地が100位以内に挙がっている。
備考)下記A~Eのいずれかで10位以内の評価を受けた国内の温泉地、 及び同100位以内の評価を受けた信越県境付近の温泉地を掲載。 出所)A 最も印象の良かった温泉地(日本温泉協会2009) B 最も行ってみたい温泉地(日本温泉協会2010) C 第32回にっぽんの温泉100選(観光経済新聞社2018)~ 国内旅行会社による投票 D 有識者が選んだ魅力の66温泉地(日本経済新聞社2003) E 新世紀日本温泉地番付(2000)~ 筆者アンケート調査や湧出量、温泉情緒などを基に総合評価)
– 国民温泉保養地 –
国民保養温泉地とは、温泉の公共的利用増進のため、温泉利用の効果が十分期待され、かつ健全な保養地として活用される温泉地を「温泉法」に基づき指定するもの。 (観光型、慰安型ではない)療養・保養型の優れた温泉地が減少することを受けて、1954(昭和29)年から指定が始まったとされる。平成30年12月現在では全国80箇所が指定されている。
– 湯田中・渋温泉 –
渋温泉は、8世紀に僧行基が発見したなどの説が残る古い歴史を有し、木造建築の旅館が立ち並ぶ。 地獄谷温泉の「スノーモンキー」は、露店風呂近くに生息する野生の猿が入浴する様子がアメリカの雑誌「タイム」の表紙を飾ってからブームとなった。冬季は外国人を含むスキー客でにぎわう。
– 野沢温泉 –
8世紀に僧の行基が発見したなどの説が残る。13の外場や、当地発祥の「野沢菜」などを洗う高温源泉地(麻釜)、岡本太郎との縁などが特徴的である。近年は、外国人を中心とするスキー客でにぎわう。
– 越後湯沢温泉 –
川端康成が小説「雪国」の執筆で滞在した温泉旅館「高半ホテル」は、1075年創業である。東京商工リサーチ(2016)によると、新潟・長野両県の中で最古の老舗企業であり、全国でも9番目に古い企業としてランクされる。 越後湯沢は、1931年の上越線開通後に首都圏の保養地となり、温泉街が誕生した。その後、スキー場の整備、上越新幹線の開通、バブル期のマンション開発などが進み、近年は外国人を中心とするスキー客でもにぎわう。
– 妙高高原(赤倉温泉・池の平温泉など) –
関温泉は、同900mの高さに位置し、弘法大師による発見、上杉謙信の隠し湯などの言い伝えが残る歴史のある温泉地である(当時は関山温泉の名称)。1918年にはスキー場も整備される。 燕温泉は関温泉により高地(標高1,100m)にある秘湯であり、江戸時代に発見された。 赤倉温泉は、1816年(江戸時代後期)、財政難を契機とした高田藩の事業により整備。明治期には、信越本線を整備した鹿島組により近代的な温泉地づくりが始まり、財界人や文化人の別荘地として知られるようになる。志賀高原とともに「国際リゾート地」に指定され、赤倉観光ホテルが整備された歴史を持つ。近年はオーストラリア人を中心としたスキー客でにぎわう。 池の平温泉は、妙高温泉を整備するために南地獄谷から温泉を引く過程で別荘地として整備された。
– 松之山温泉 –
南北朝時代に発見されたという言い伝えが残る。日本三大薬湯の明確な根拠は明らかではないが、松之山温泉の各旅館をはじめ国内の様々なホームページでも紹介されており、一般的に認知されているとみてよい。
– 鵜の浜温泉(上越市)・六日町温泉(南魚沼市) –
鵜の浜温泉(上越市)は1956年、六日町温泉(南魚沼市)は1957年、それぞれ天然ガス試掘中に湧出した比較的新しい温泉地である。
– 小谷温泉 –
上杉謙信と高田信玄の合戦で、武田方の落ち武者が発見したとの言い伝えが残る。1971年に国民温泉保養地に指定された。
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