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11 日本酒
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これらの特徴はどのようにして生まれたの?
● 豪雪地帯が生み出す水や気温など
酒づくりには大量の水が必要とされ、雪解け水は、豊富できれいな水を供給する。
新潟県
の水質は軟水で、発酵がゆっくり進み、まろやかでさっぱりとした酒になるといわれる。
冬期間の気温が極端に低くならないことや酒蔵が雪で覆われることで、温度が一定に保たれ空気中の雑菌も抑制されるなど、酒づくりに欠かせない微生物の働きに最適な環境を生み出すとされている。
▶︎ 補足説明 b1
● 農閑期の産業
日本有数の豪雪地帯である
新潟県
では、冬期間の出稼ぎが盛んに行われた。特に、日本酒における「寒造り」の普及拡大により、冬季が農閑期に当たる農民などにとって、杜氏としての出稼ぎは都合の良いものとなった。
酒づくりは根気のいる仕事であるが、雪国の人の粘り強さが向いていたといわれることもある。
● 米どころ
古くから米どころであり、酒づくりの原料が豊富に存在した。
新潟県
では農村部では地主層が小作米の余剰分を使って酒づくりに着手したといわれている。
米どころとして知られる
木島平村
は、金紋錦の主産地。近年の味多様化、地産志向の高まりを受け、栽培面積を増やす。
米どころの
飯山市
は、かつて杜氏の出身地だった。
▶︎ 補足説明 b2
● 技術継承への努力
新潟県
では、全国で唯一の日本酒専門の県立機関「新潟県醸造試験場」で技術指導や酒造好適米の開発を実施。新潟清酒学校や県立吉川高校(現在廃校)で技術を継承。
長野県
では、大正時代に広島等の杜氏を招いて技術指導を受け、昭和初期には品評会で高い評価を受ける。近年では若い経営者が自ら杜氏となり独自の酒づくりを探求、鑑評会などで高い評価。
▶︎ 補足説明 b3
● 街道沿いの宿場町の存在
峠を越える街道がいくつも通り、街道沿いや宿場町に多くの酒蔵ができた。
長野県
は峠で分断された宿場町ごとに酒蔵があり、そのことが酒蔵の多さの一因にもなっているといわれる。
▶︎ 補足説明 b4
● 研究開発の努力
新潟県
では、就労形態や食生活が変化した高度成長期時代に、県酒造業界が一体となって時代の変化にあった新潟らしい淡麗辛口を目指した。
長野県
では、全国的な開発競争が激化する中、世界に通用する地酒を目標に据え、産学官で新しい県産の酒米づくりに取り組んでいる。
▶︎ 補足説明 b5
これらの特徴は地域に何をもたらしたの?
● 日本文化を形成する要素
各酒造場により、地域の水質を守る運動や、農業活性化、食文化や歴史文化のPRなどの取組もみられる。
古くから続く酒蔵のたたずまいは、まちの文化的景観となり地域の観光資源ともなっている。
酒まつりなどのイベントは、観光客や地域のファンが増加するきっかけともなっている。
● 地域づくりへの貢献
四季の変化がはっきりしている日本では、「花見酒」や「月見酒」など自然を愛でながらお酒を楽しむ文化が育まれた。
伝統的な行事には、日本酒が用いられる。
日本酒にあう酒の肴や珍味が生まれた。
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