地域ならではの特徴
特徴の成り立ちと影響
地域資源の魅力と課題
その他の参考情報
参考 1)蕎麦の歴史について 成瀬(2012)によれば、「そば切り」の起源はそれほどはっきりしていない。16世紀後半の臨済宗の寺の文献によると、日本に「そば切り」が誕生したのは信州であったとされるが、甲州とする説もある。「そば切り」は江戸時代に創作されたという説もある。
柏原地区では、古くから一般的に十割そばがあったとされ、雪が深く小麦がなかった地方の苦肉の手法であったのではとも考えられている。長野県では木曾地方の開田村でも同様の例がある。最近では都会の蕎麦屋でも十割そばが作られるが、これは製粉技術の進歩によるものともいわれる。
– 霧下そば – 「霧下」は、高山の裾をめぐる地帯で、絶えず雲霧が低迷する蕎麦の産地を指すものであり、黒姫・妙高山一体が本場であるともいわれている。「霧下蕎麦粉」は、商標登録されている。
– 早蕎麦 – 秋山郷の早蕎麦は、ダイコンを細長く刻んでゆで、それを醤油とだしで味付けをし、その中にそば粉を入れてかきまわすと出来上がるものであり、一種の救荒食であった。
◀地域ならではの特徴へ
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信州のソバの特産地には、秋山郷、飯山市富倉、信濃町柏原、戸隠村・鬼無里村(現長野市)、小川村、美麻村(現大町市)、安曇村番所原・奈川村(現松本市)、関田村(現木曽村)、遠山郷、川上村などの山村がある。これら地域は、夏でも霧が深く、日照時間の少ない、稲作に向かないところで、火山灰土で痩せ地が多いとされる。 秋山郷、飯山市富倉、鬼無里村日影、北小川地区などでは、小麦ができない深雪地帯であり、つなぎにヤマゴボウを使ったのは生活の知恵ともいわれている。
◀特徴の成り立ちと影響へ
魚沼地方のフノリのつなぎは、一般的に織物産地で使われていたものの応用とされているが、蕎麦の手作りとフノリを使う家事が結びついた可能性も指摘されている。 戸隠・飯縄山麓は、高冷地のため養蚕ではなく第2次世界大戦まで大麻の栽培が盛んであり、栃木県に次ぐ生産地であった。大麻の栽培地域では、収穫後に生育期間の短い秋そばが作付されることから、そばの生産が多くなったといわれている。
※ 特に参考とした文献には●を付しました。